ダブルキャブで行く アプトの道をトレッキング

車は好きなので今までもいろいろな車に乗ってきたが、今回はダブルキャブ(トラック)という未知の世界の扉を開け始めた(笑)

ダブルキャブという6人乗車の2トントラック。

荷台にシェルを製作すればファミリ―ユースにも対応できそうな素材だ。

 荷台はアオリを外した状態で206×169㎜あるので4~5人程度の就寝スペースは確保できそう。これで5ナンバーサイズなのだから驚きだ。

キャビンの後部座席はキャンプ道具などもかなり積載可能で、折りたたむこともできる。

 

バンクベッドを作ってもいいし、真四角のままにしてライトな感じに仕上げても良い。

アクティブなアウトドア派なカップルからファミリーまで幅広く使えると思うが、問題はトラックの宿命ともいえる乗り心地の悪さだ。

キャブコンでも度々耳にする縦揺れ振動は大きな課題だが、こればかりは実際に体験してみないと判断がつかない。

 

という事で、程度の良さそうなダブルキャブを1台仕入れて、2泊3日で試乗の旅に出かけることにした。

乗り心地や使い勝手などをシュミレーションしてみたい。

 

 

行き先は比較的近場の群馬県。

世界遺産登録の富岡製糸興と、碓氷峠の旧鉄道路線の遊歩道「アプトの道」を巡る。

 

午前中に出発して、ランチは県内甲府の複合商業施設で弁当を買い、後部座席で喫食。

ちょっとした食事程度ならわざわざシェルに行かなくても後部座席でささっとすませることを想定してみた。

シートは3人用のベンチシートなので2人で使うには広さは十分。

ちょっとしたトレイがあるととても便利に使えそう。パソコン作業なども快適にできそうだ。

 

 

群馬県に入り、「道の駅 しもにた」で休憩。

2時間ちょっと走ったが、乗り心地と騒音はなかなのもの・・(^^;)

音はある程度想像していたが、乗り心地についてはギャップを乗り越える時の突き上げ感が強い。

今は荷台が空なので特に強いと思うが、これはシェルを載せてどれだけ軽減されるのか、かなり心配だ。

 

 

道の駅しもにたは円形の建物の中心部が芝生広場になっていて、なかなか凝った作りで綺麗だった。

葱とこんにゃくが有名な下仁田らしく、関連商品が豊富に揃っていて購買意欲がそそられる(笑)

道の駅内のまるも屋という店でこんにゃくソフトを購入。

 

真っ黒・・炭かな? 奥さんの感想は「美味しいよ!」だった。

実は今回の旅はダブルキャブの検証以外にも、もう一つのミッションがある。

それは車中泊経験者の方々には有名な「快活クラブ」での宿泊だ。

我々のような中年夫婦の車中泊なら、連泊の場合などに体力回復のためにビジネスホテル泊を組み込むのはアリだと思うのだが、

もっとストイックに快活クラブ泊はどうだろうか?

という検証をずっとしたいと思っていたので、試してみることにした。

 

快活クラブでは食事もできるが、やはり食は地元の名物が食べたいので、夕食に群馬名物「登利平」のとりめしの弁当を購入。

そして、いよいよ快活クラブに突撃。

初めての利用なので会員登録を済ませてから、個室のフラットルームを利用した。2畳ほどの室内全面にマットが敷いてある。

キャンピングカーをベッド展開したような個室だな。。という第一印象(^^;)

 

さっそくシャワーを浴びて個室でネット見ながら缶ビールと「登利平」のとりめし弁当を食べた。

胸肉ともも肉のミックスと、胸肉だけの2種類を買ったが、肉は柔らかく味付けも丁度良い濃さで旨い。

漬物も良いアクセントになっていて、安定感のある弁当だった。

 

 

食後は私は個室でネットサーフィンしていたが、奥さんは無料のソフトクリームを食べながら漫画コーナーで随分長いこと漫画を読みふけっていたので、お互いに一人の時間を楽しむこともできた。(キャンピングカーでは、この一人の時間(空間)というのができないので、新鮮)

 

そして、フラットルーム内で就寝。

個室の床面積は狭くとも天井は当然のことながら高いので、キャンピングカーに比べると居住性は良いが、就寝時も照明は明るいままなので快適に眠れるかどうかは人によってだと思われる。

 

翌朝、トーストとフライドポテトの無料朝食を食べて、チェックアウト。

 

快活クラブの総括。

今回は15時間パックを利用したので4000円弱だった。

シャワーや洗濯機、パソコン、電源が利用できて宿泊者には朝食無料というサービスなので、コスパはかなり良い。

2人の宿泊料としては安いが、寝心地はちょっとシンドイかな・・というのが素直な感想。

 

結果、快活クラブは最短時間30分のコースでシャワーを利用する場所で、長期の旅だったら洗濯機の利用もアリ。という結論に至った。

 

今日の最初の観光スポットは、高崎市から少し山の方に進んで「少林山 達磨寺」。

 

境内には巨大なだるまをはじめ、たくさんの達磨が奉納されており、かなり独特な雰囲気に満ちている。

だるまの絵付け体験施設があったので、奥さんがチャレンジ。

 

私はその間、境内をのんびり散歩。

 

絵付けの達磨は水色のボディ(赤じゃないだ・・(^^;))。

たしか、達磨の眉毛は鶴で、頬の髭が亀の模様になってると奥さんが言っていた。

顔の両側には金色で願い事をかくらしく、家内安全と書いていた。

係の方が丁寧に指導してくれるので、楽しく絵付け体験ができたとのこと。

 

寺には達磨関連の土産品が多数あったが、せっかくならこういう体験付の土産が楽しい。

我が家には、体験好きの奥さんのたくさんの作品が展示されている(笑)

 

その次は、群馬と言ったらここ。こんにゃくパーク。

でも、かなり期待外れの内容だった。

工場見学はあまり見ごたえがなく、高い位置からベルトコンベヤーで商品が流れる様子を見る程度。工程の説明はあるが、小学生レベルなので、ファミリーだったら楽しい時間が過ごせそうだ。

 

楽しみにしていた試食コーナーもちょっと寂しい内容。

テレビなどで紹介されていた時の感じだともっと種類豊富なのかと思いきや、実際はそうでもなかった。

無料なので、文句は言えないが・・

 

それよりもこんにゃく製品の販売コーナーが圧巻(笑)

広い売り場に所狭しと商品が置かれている。

地元のスーパーで見かけるようなものから、めずらしいものまでかなりバラエティに富んだこんにゃく製品が販売されていた。

 

奥さんはあまり触手が伸びなかったようで、購入には至らなかった。

気を取り直して、次は世界遺産登録で有名になった「富岡製糸場」へ。

着いたのが3時30分だったので、いそいでシャトルバスに乗った。

繭の貯蔵庫の内部は当時の様子が再現されており、とても興味深く見学を楽しめた。

施設内には、繰糸所、首長館、女工館、東・西置繭所などの建物が点在していて、3時30分入館では時間が足りない。

こんな充実した施設とは知らなかったので、こんにゃくパークはパスしてでもこちらに時間を割くべきだったと後悔・・・

 

本物の蚕が展示されており、拡大鏡で観察できたのが面白かったので、土産コーナーで、蚕のキャラクターグッズを購入(笑)

ここがメインの展示場。

ここで女工さんたちが繭から糸を取る作業をしていた繰糸所だ。

 

当時は世界最大規模の製糸工場の心臓部。

いまにも動き出しそうなくらい綺麗に保存されていた。

 

 

帰りは徒歩で上州富岡駅まで戻る。

繭の形の時計やお富ちゃんというキャラクターがかわいい。

2泊目の宿は高崎駅近くのドーミーインで宿泊。

高崎はパスタの街。というのを初めて知り、駅ビル内にある「スパゲティ専科はらっぱ」で夕食。

トマトソースは独特な甘みがありチーズとガーリックがたっぷりでかなり旨い。

カルボナーラはチーズが濃くてブルーチーズっぽい風味を感じた。

かなりお腹一杯になったのだが、ホテルに戻ってドーミーイン名物の夜泣きそばもしっかり頂いた(笑)

 

1日走って、自分は意外と疲れなかったが奥さんは少ししんどそう。

奥さん曰く、ハンドルを握っているドライバーよりも、助手席のほうが多分揺れが大きいらしい。

しっかり捕まるものが無いから、つねに体を揺らされている感じが疲れるのだそうだ。

2日目は曇り予報だったが、ピーカン。

横川駅まで走り、駅近くにあるおぎのやで「峠の釜めし」をゲット。

外のベンチで少し早めの朝食にした。

 

店は土産と食事ができて、広大な駐車場があるドライブインといった雰囲気の店。

 

うずらの卵、鶏肉、栗、ごぼう、しいたけ、たけのこ、杏子

全てが調和した心にしみる青朴な味わい。

釜めしっておいしいんだなと初めて実感できる味わい。

旨かった。

あと、別容器に入った漬物もとても美味しかった。

 

 

素焼きの器を見て、実家にこの釜めしの器があったのを思い出した。

多分両親がずっと昔に購入したのだろう。

 

味もその頃と変わ変わっていないのだろうか・・

早めのランチの後は、今回のメインスポット「ラプトの道」。

横川駅西側を起点とした昔のトロッコ列車の廃線跡の遊歩道だ。

終点熊ノ平まで往復12キロほどの遊歩道で、途中には旧丸山変電所、碓氷湖、眼鏡橋、10個のトンネルなど見所が多い。

スタート地点の近くには碓氷関所跡や、碓氷峠鉄道文化むらなどのスポットがあり、遊歩道以外にも楽しめる場所だ。

 

アプトの道のアプトとは登山列車の方式で、ギザギザのレールに歯車を嚙み合わせて急勾配を乗れるようにした仕組みらしい。

そのレールの廃品が道路にはめ込まれて二次利用されていた。

 

左の看板が全行程。

6月中旬の猛暑の中、完走できるのか若干不安になる・・(^^;)


また1キロほど歩くと、峠の湯という温泉施設に到着。

アイスを買って休憩。

行きは緩やかな登りなので、汗びっしょり・・(^^;)

 

この後は途中に碓氷湖を挟み10個もあるレンガ作りのトンネルを次々にくぐる。

どのトンネルも歴史を感じる佇まいがいい。

夜になったら、かなりホラーな雰囲気になることだろう。

1キロほど歩くと、最初の見所「旧丸山変電所」に到着。

トロッコ線のまるやま駅の跡近くに、古いレンガ作りの建物が建っている。

電車に電気を供給するための施設で、国の重要文化財だ。

建物の中は雑然としているが、外壁の古びた雰囲気はいい感じ。


5個目のトンネルを超えたところで、メインスポットの「めがね橋」に到着。

200万8000個のレンガで造られた日本最大の4連アーチ式鉄道橋だ。

明治25年完成のラプトの碓氷線のシンボル。

遊歩道につかずはなれずで車道(旧18号)も走っており、このめがね橋は車道からも見ることができる。

車を停めて見学している観光客が多く、遊歩道の中で一番賑わっていた。

遊歩道はこの橋の上を歩けるので、橋の上からの眺望もなかなかのもの。

 

でもビジュアル的には、車道まで下りて橋を見上げるのが最高。

そこから5個のトンネルをくぐり、ようやく終点(折り返し点)の「熊ノ平」に到着。

昔は信越本線の駅だったが、今は使われておらず、アプトの道の折り返しポイントになっている。

熊ノ平駅は横川・軽井沢間の唯一平らな土地で、信越本線が単線だった期間には、ここで上り下りの列車が待ち合わせてすれ違っていたそう。

当時は行楽客などで賑わっていたが信越本線の複線化により、駅の機能は無くなり、変電所として残ったそう。

 

今では平日とはいえ、私たち夫婦だけがいる、ちょっと寂しい空間。

時代の流れを実感できる場所だなぁ。

 

おぎのやで買っておいた力持ちを食べる!

赤福のようなあんこのお餅。

甘いあんこが疲れた体に染み渡る。旨い・・・

帰りは緩やかな下り坂。

行きの半分程度の労力で戻った気分。

横川駅の周辺の風景。

峠の釜めしが2軒も(笑)

横川駅を後にして、旧18号(中山道)を軽井沢方面に走る。

夕飯の時間なので、ネットで探した軽井沢で評判の定食屋「おらんち食堂」でご飯。

鶏から定食とソースカツ丼をオーダー(奥さんはチューハイも)。

しっかり目の味付けで運動した後にとても美味しくいただいた。

3泊目は軽井沢の「ホテルロッソ」に宿泊。

奥さんはかなりお疲れモードで、10時前に就寝。

私も自覚はなかったが疲れていたのか、いつのまにか寝落ちしてしまった。

 

翌朝もモーニングサービスのカレーが旨かった♪


3日目は奥さんの希望で、「軽井沢ローズガーデン」に寄った。

ちょうどバラの時期で、満開のバラとその香りに圧倒された。

そのあとは地元物産館のようなショップによって、佐久平の「そば処 治郎」で、遅めのランチ。

味わいもボリュームもいい感じ。近所にあったら嬉しいタイプの親しみを感じるタイプの良店だ。

 

小海町、南牧村と八ヶ岳の東側を南下して、野辺山の人気の「ヤツレン」のソフトクリームをゲット!

シンプルで何も足さない素直な味わい。

ランチの蕎麦屋と一緒で、ストンと心にフィットする。

こういうのを本当の「ナチュラルな味」というのだろうなぁ・・。

 

今回の3泊4日の旅で買った土産の数々。

こんにゃくは晩酌のお供に最高。

ひもかわうどんはシンプルに葱だけの素うどんで食べてみた。幅太の麺で甘みと柔らかい舌ざわりが堪能できる、美味しいご当地グルメ。

達磨寺では群馬県内唯一の注染工房「中村染工場」の和手ぬぐい。

注染とは代表的な和手ぬぐいの昔ながらの染め方らしい。色も渋い藍色で達磨のコミカルなイラストが軽くてイイ。

あと本文でも紹介した蚕のキャラクター。

これはラぷトの道を歩いていた時にリュックに付けて歩いてた。ぷらぷらと揺れる姿が愛嬌があって、疲れを忘れさせてくれたなぁ。


3泊4日、快活1泊ホテル2泊、観光スポットもそれなりに寄ってみたけれど、やはり奥さんは結構疲れた様子。

まあ空荷の状態だから余計に路面のショックでバウンドしたり振動が大きかったりしているとは思う。

シェルをあえて少し重めに作って、振動を和らげるという方法もあるかとも考えた。

 

でもとりあえず、ダブルキャブにシェルを積むというプランは一旦寝かせることにした。

でも、四角四面のシェルは入口や窓、レイアウトも自由だし、製作面でいうとかなり魅力的なのだがなぁ・・。

家族5人でキャビンに乗れて、ボデイサイズは5ナンバー内。

206×169㎜のシェルをスタイリッシュなデザインで作ったら、結構イケると思うのだが・・・

 

シェルについてはまたいつか、考えてみたいと思っている。(あきらめてはいないのだ(^^;